【ジュエリー・ハーツ・アカデミア -We will wing wonder world-】紹介・感想

目次

作品概要

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作品名

ジュエリー・ハーツ・アカデミア -We will wing wonder world-

cabbage-soft.com

ブランド
きゃべつソフト
シナリオ
冬茜トム
原画
しらたま
BGM

藤井稿太郎

OP

■OP1

www.youtube.com

■OP2

www.youtube.com

体験版

cabbage-soft.com

 

あらすじ

ポイントは以下2点

①学園もの要素有(ただし100%学園ものではない)

②異能もの(意志という異能)

登場人物の多くは意志という異能を持った異能者。
異能者が集まる学園に入学し、学園生活を送る・・・
という要素もあるが、それは一要素にすぎない。

主人公らが通う学園がある国と別国と戦争が勃発し、
その戦争を食い止めるといった学園ものの領域を超えた要素も交えた作品。
公式サイトのあらすじを要約するとこんな感じ。
詳細は体験版をプレイした方が理解が早いです。

以下公式サイトあらすじより

 

「輝け、僕らの意志──」

フリギア王立ジュエリー・アカデミア──

そこは『意志(ジェム)』と呼ばれる不思議な宝石を研究する学園。主人公ソーマ・ジェイスはアカデミアに眠る『賢者の石』を探るべく、
エージェントとして『クラス・ダイヤ』への潜入を試みる。
しかし……彼が配属されたのは謎の新設学級『クラス・ペガサス』だった。

──素性を隠す外国のスパイ・ソーマ。
──剣にしか興味のない女子・ベルカ。
──誰ともつるまない孤高の不良・ヴェオ。
──獣人にして稀代の才媛・メア。
──成績も態度も最悪の王子・マークス。
──唯一まともなクラスの良心・アリアンナ。

ペガサス組に揃ったのは目的も国籍もバラバラな6人の少年少女。
彼らはしばしば反発し合いながらも、やがて世界を脅かす危機に直面することになる。

『石喰い』──

それは、ノヴァ大陸全土を石化せんと迫る謎の災厄。
その最前線に位置した彼らは、元凶の組織《メデューサ》との闘争に巻き込まれていき……?

「いくよみんな──わたし達の全力を、思いっきりぶつけてやろう!」

果たしてソーマはミッションを達成できるのか。
そして、大陸を喰らう石化の脅威に打ち勝つことはできるのか。

世界を羽ばたく意志と絆の冒険譚──ここに輝く。

 

評価

内容 評価
総合評価*1     S 
シナリオ

★★★★★

キャラクター ★★★★★
グラフィック ★★★★☆
BGM ★★★★★
主題歌(OP・挿入歌・ED) ★★★★★
Hシーン ★★★☆☆
システム ★★★☆☆

 

■シナリオの完成度の高さ

シナリオが非常に面白い作品。
伏線回収が面白く、プレイすればどんどん続きが気になるシナリオです。
予想外の展開に驚かされたり、先が読めないのでどうなるのかワクワクといった気持ちでプレイできました。

舞台は学園ですが、異能力ありの異能もの。
ファンタジー系統が好きな人には世界観が合うと思います。

鬱要素はないですが、少々シリアスな内容も含むので苦手な方は注意。

きゃべつそふと&冬茜トム過去作「アメイジンググレイス」「さくらの雲*スカーレットの恋」にはまった人なら絶対プレイするべき。

 

■原画について

異能ものということで戦闘シーンあり。
原画のしらたま先生が可愛いイラストを描かれる方ということで
戦闘シーン雰囲気合うのかが気なる方もいるかもしれません。
ただあくまで個人的な意見としては、特にその点は気にならなず楽しめました。
しらたま先生の可愛い雰囲気を活かしつつ戦闘シーンも戦闘シーンとしてのCGとなっていたので、問題なく楽しめるのではないかと考えます。

■ヒロインとのイチャラブは薄め

シナリオ重視作品でヒロインとのイチャラブはかなり少ないです。

過去作「アメイジンググレイス」「さくらの雲*スカーレットの恋」と比較すると体感1/3くらいの内容になります。
Hシーン数も減少。
ほんとおまけくらいのイチャラブのみです。

イチャラブはおまけ、シナリオをメインに楽しむ前提でプレイを
検討いただく必要があると思ってください。

 

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【注意】以下本編のネタバレが含まれます。未プレイの方はブラウザバック推奨

 

 

 

 





 

 

 

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攻略順

完全一本筋

個別ルート事実上なし

感想

■総評

非常に面白い完成度の高いシナリオでした。

シナリオを読めば読むほど先が気になるような展開、
幾度も読み手の予想を覆す展開が非常に読んでて面白かったです。

戦闘シーンはCGの使いまわしもあって途中で飽きてきたり、
細かい状況が伝わりにくいのが微妙だったかなと思います。
ただ、これはあくまで高望みです。
他戦闘有ノベルゲーと同水準、
もしくはそれ以上の仕上がりではあったので決して悪くはなかったです。

 

キャラクターもメイン・サブともに好感度持てるキャラが多かったです。
イチャラブ少ないのが残念。。。

 

■序盤(OP2まで)

物語の序章としての学園生活ということで正直つまらないかなと思っていました。
だって、最初の目的が街リレーと遠足と期末テストって・・・

と思っていたのですが思っていたよりは序章も面白く仕上がっていたかなと思いました。
当初の目的「街リレー・遠足・期末テスト」という単調な流れをぶったぎられたのが良かったですね。
これによって主人公はいかに学園の賢者の石を奪還するのかという
先の展開読めなくなったのがワクワクに繋がりましたね。
中盤の盛り上げ前にテンションを1段階引き上げらました。
シナリオの展開の仕方が序盤も上手いです。

リレーについては、自分が考えていたことを一番最初にベルカがやってて笑いましたw
そりゃやるよねw

 

■中盤~終盤(最終戦前まで)

意志による戦闘シーンが増えた中盤は非常に面白かったです。

【対ゲゼルマン】

メアの裏切りのタイミングやメアが心取り戻したと見せかけてのゲゼルマン洗脳とキルスティン召喚という展開には驚かされました。


メアの覚醒シーンは盛り上がって結構好きです。
しらたま先生の可愛いテイストの絵が生かされたCGもとてもすこです。
戦闘CGで得意の可愛さを生かしているのいいですよね。

 

【主人公とメンデューサの正体】

主人公・メンデューサが人間であったという設定は、本作で最も驚かされました。
先入観を上手く使った非常に上手い見せ方だなと思います。
いやだってギメル吸血鬼にしか見えないじゃんw

 

ここまでのシーンを振り返ると、
・主人公がアリアンナとの昼食を断った真たる理由
・主人公の攻撃対象にペガサス組を巻き込むリスクを恐れていた理由
・主人公の意志(サファイア)を隠したかった本質的理由
・ルビィの攻撃対象に主人公(人間)とヴェオ(セリオン)なら対象外と主人公が判断した経緯
等々なるほどと思うシーンがあって気持ちよくなっちゃいましたね。他にもヴァンパイア匂わせ言動があったかもと思うともう一回プレイして確認したいところです。

 

ちなみにプレイ中にヒロインが人の血吸っているシーン見たとき、
「BADエンド踏んだか~」と思ってしまいましたw
(BADルート選んでなかったので)

 

【ノアの演説】

絶望しました。

ノアの演説の内容や実現しようとしていることは素晴らしいなと思いました。
作品内でのペガサス組の関係という理想を大陸全土に押し付けるというご都合主義的な政策でなかった点が個人的には好きです。


人という生物は外見や思考が異なる生物の集合体です。
自身の外見や思考が絶対正ではなく、他の外見・思考を持つ人が存在するという点を意識するべきであり、
一方でその違いを受け入れられない人が存在するという点も理解するべきです。
その点を理解した上で、多種多様な人という集合体において妥協点を見出す
という考え方も大切なのかなと個人的には感じました。

 

「あぁノアの演説良かったな~」と思ったところで、

 

 

 

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

負い傷、いと深し

※おそらくあのクソ蛇ババの策略なのでしょうがまじでふざけるな

 

 

■最終戦(ギメル・おばさん)・結末

【VSギメル】

もう一人の主人公といってもよいでしょう。漢。

彼の行動原理の意志の強さは作品を完走しているのであれば説明不要でしょう。
彼・彼女の意志に基づく行動・最終戦・結果全てが完璧だと思います。
この「おぉ!!」ってなる感情を言葉にできない私の語彙力が悔やまれます。。。

あとChapterXがギメルであること、
それどころか過去の話とは正直思っていませんでした。
(現在進行形の話でラスボスになるのかなと思ってました)

 

【VS蛇クソババァ】

終戦の存在意義が賛否両論の真のラスボスおばさん戦。

個人的には最終戦にこのクソババァでいいかな派。
端的に言えばギメルの背景を鑑みると悪役とはいえないため。
人間・吸血鬼・セリオンの3種族共通敵としてこのおばさんは必要で、
おばさんを討伐して真たる平和な未来を目指すという展開には違和感を覚えないので。

とはいえ、登場が唐突だったり、討伐方法がご都合無敵フィーバータイムだったりと
内容が少々雑・強引かなとは思います。
そのため、最後の感動や余韻は薄れてしまったのが本当にもったいない。

おばさん討伐はアリアンナ√のTrueとかにしても良かったのではないかと個人的には思っています。
いわゆる戦争を通してペガサス組・ヒロイン(アリアンナ)との愛情を深めたことで未来を変えるみたいな感じで。
アリアンナとの愛からアリアンナのダイヤモンドの覚醒とかの方がまだ納得はできたかなという感じです。

 

アリアンナらしいけど言ってることめちゃくちゃで笑いました。
少し蛇ババァに同情します。

 

美少女ゲームとして

ノベルゲームとしてのシナリオの完成度はトップクラスの完成度であったといえると思います。

一方で、美少女ゲームとしての良さが生かしてきれていない、
失われている印象を覚えました。

各ヒロインルートが実質存在しないため、ヒロインとのイチャラブシーンが少ない点。
これは好きなヒロインがいた・作品を通してヒロインに好感を覚えた人にとっては寂しいものだったかなと思います。

また、シナリオにおいてヒロインとの恋愛要素による変化が特にないのも気になりました。美少女ゲームとしての「恋愛」を通してのヒロインの成長による変化も個人的には見てみたかったです。

総評としては、シナリオの完成度は満点以上である一方で、
美少女ゲームだからこそ表現できる面白さや感動といった要素が抜けた分
どこか満足しきれないといった印象の作品でした。

 

※ベルカはデートシーンがあったりと微妙に優遇されていてラッキーでした。

 

■その他

(マスター)

公式サイトにキャロちゃん載っている時点で何かあるキャラと予想がつくし、マスターの声歩サラだしで関係性バレバレだなと。

マスターが学園に潜入できていたらもっと主人公も学園内で自由に動けていたと思うから、姉妹関係とかかなと思っていましたが、ストレートに同一人物なのはへぇって感じでした。

それはさておき、マスター超かっこいい!

 

(宵闇連盟)

結局この組織は何だったのでしょうか。
マスターが参戦以外では特に終盤関与なし。
ギメル勝利後の真のラスボスがこの組織だと思ってました。
もやもやです。

 

フリギアの軍事体制)

この国の軍人になぜ意志持ちがいないでしょうか。
意志という能力が専用学園があるくらい周知の事実であり、
その能力の高さもある程度証明されているにも関わらず、
意志要因がいないのは防衛舐めすぎだろと思いました。

この国は本当に戦争経験国なのかということを疑わざる得ないです。

意志が学生しか宿せないならわかりますが、
先生達も持ってるし、ゲザルマンという老人吸血鬼でも宿せるのですよね。
この国の軍人の国を守るという意志の低さを感じさせます。
軍人のおっちゃんは好感もてるいいおっちゃんでしたが。

 

(カールの組織)

露骨な匂わせ発言。CS版等のFD出すのでしょうね。

 

まとめ

シナリオ・キャラ・演出等全体的には高い完成度で仕上がっている作品。
2022年3本指には間違いなく入る完成度なのでプレイするべきです。

ただ終盤が賛否両論で、少なくとも感動やプレイ後の余韻は前作「さくらの雲*スカーレットの恋」の方が上回っている印象でした。

 

*1:評価はS、A+、A、A-、B+、B、B-、C~で評価しています。