【ハミダシクリエイティブ】紹介・感想
2020年9月25日に発売したまどそふと新作「ハミダシクリエイティブ」の紹介・感想記事になります。
作品をプレイした人もプレイしていない人にも読んで頂ける記事になっています。 特にプレイしていない人は、この記事で作品に興味を持っていただけると幸いです。
※年齢制限ゲームですので、18歳未満or高校生の方はご注意ください。
※あくまで個人の感想です。私が凄くはみ出しものの思考だったりもするので、こんな人もいるんだなくらいに捉えてくださるとありがたいです。
目次
作品概要
あらすじ
推奨攻略順
クリックすると推奨攻略順が開きます
基本的には自由にやっても大丈夫かと思いますが個人的なお薦め順を紹介します。
②次に詩桜ルート→妃愛ルートの順にやるのがいいかなと思います。
③通常ENDは華乃とあすみルート攻略後がいいかもだけど、正直いつでも。
ヒロイン紹介・各ルート感想
キャラ紹介タグが公式サイトと体験版からの微ネタバレを含む(製品版のネタバレはほぼなし)、
感想(ネタバレ有)タグが製品版のネタバレを含みます。
各自プレイ状況に合わせてタグを切り替えてご覧ください。
※スマホからだと微妙にレイアウト崩れているかもしれません。タブの切り替え自体は正常にできると思われるので許してください()
和泉妃愛
<公式サイト紹介情報>
智宏の妹にして子役上がりの覇権声優。
一家の稼ぎ頭であり、家計を完全掌握している。
その結果、ガチャを回すため平身低頭に徹する智宏と
それを甘やかす妃愛、という構図が 完全に出来上がってしまった。
実のところ、智宏のお世話をしないと 調子が狂うのは妃愛の方だが、 それを知るのは智宏ただ一人。
<要点>
兄妹愛を主題としたイチャラブ展開とシリアス展開を両立した上で、終盤に綺麗にまとめられていてよかったという印象でした。
<お兄ちゃん大チュキいちゃらぶ展開>
共通ルートからお兄ちゃん大好き、いや大トゥキ度全快でブラコンを拗らせていました。とても可愛かったです、妹キャラはこれがたまらない。日常パートでの主人公との話の掛け合いが面白く、ブラコンの拗さを感じさせませんでした。作品全体通して、なかなかいいキャラをしていたと思います。ぶっちゃけただイチャラブしてるだけの話でもわんちゃんありだったかもしれませんね。だって可愛いんだもん。
<世間への恐怖と兄妹>
そんなイチャラブ展開がメインになると思ったら、個別ルートではいきなりシリアス展開。内容は共通ルートで軽く伏線張ってた裏垢の件ででした。裏垢流出で大炎上し、世間から非難、そして実際に攻撃をされ心を酷く傷つけます。まるで、幼少期両親という家族を失った孤独のように、世間から捨てられて孤独感を感じていたのかなと個人的には感じました。
酷く心を傷つけ、大好きなお兄ちゃんの前でも平然を保てなくなった妃愛を慰めるのが幼少期と同じくやはりお兄ちゃん(主人公)でした。こういった経緯から妃愛の気持ちがお兄ちゃん大好きから1人の男の子としての気持ちへとシフトして、兄弟愛を貫くという世間からハミダスことを決意します。
ちなみにこの妃愛がお兄ちゃんの前で涙を流しているときに、誕生日プレゼントで指輪をプレゼントする主人公かっこよかったですね。しかも、普段は妹と遺産に頼りきっていた主人公が自ら働いてプレゼントしたのもよかったですね。
<終盤:妹の告白>
ここから文化祭の準備をしつつ、兄妹イチャラブが続いたので、ぼんやり終わるのかなと個人的には思ってました(内心物足りなさを感じながら)。
しかし、まどそふとは偉かった。文化祭の妃愛の朗読会にて、両親を失う前後の妃愛のお兄ちゃんへの気持ちや今のお兄ちゃんへの気持ちを表現・告白したのです。正直この展開は予想外で驚きました。この朗読会にて、世間に妃愛の疑惑を晴らしつつ、兄妹愛(正確には兄弟愛ではなく、あくまで妃愛のブラコンという一面)を認めてもらうという展開になりました。妃愛の主人公への思い、そして自身がこじらせている兄への思いを兄である主人公と世間にそれぞれが納得する形で受け入れてもらい、復帰を果たすことができました。妃愛の兄への思いを兄妹で受け入れ、はみ出してしまった芸能界・世間へ復帰を果たすという形で、綺麗にまとめられていたのではないかと感じています。
<妹ルートに対する個人的な意見>
私は、正直いうと妹ヒロインルートが苦手です。妹ヒロイン自体はとても可愛くて推せるのですが、どうしても妹ルート特有の世間の目が絡んでくることが苦手。とてもとても心が痛くなってしまうので…
この作品では、そういった世間の目については触れられていました。しかし、キャラゲーとあった過度なシリアスにならず、程よい内容になっていたので、あまり心を痛めることなくプレイできました(プレイ中はだいぶ辛かったですが笑)
共通ルートから個別ルートまで病的お兄ちゃん愛を注ぎ続けていてとても可愛らしいかったです。こんな妹欲しかったです…w
シリアス要素があるものの、欝にならない程度の程よい加減になっており、終盤の文化祭のくだりは個人的には結構好きでした。
常磐華乃
<要点>
華乃のキャラの良さを引きたてつつ、華乃自身の過去のトラウマ・黒歴史を乗り越えるシナリオがよかったです。凄く良かったわよ!
<華乃のキャラとしての魅力について>
まず、華乃のキャラとしてはとても努力家であるという印象を感じました。イラストレーターとして、同人や企業案件といった仕事に対する熱意や拘りというもの、またそれらを実現した作品を完成させるための日々の努力している姿が作品で描かれていて好感を持てました。
また、過去に「ブス」と言われたトラウマに対しても、服装といった外装を良くするために努力しているといった、趣味・特技以外、特に自身の弱み・トラウマに対して努力をできる子だなと感じ、ルート通して応援したいという思いが強くなりました。
<黒歴史を乗り越える姿>
シナリオも個人的にはよかったかなと思っています。特に終盤の文化祭にて、華乃のトラウマ・黒歴史である「オタクであることを学校・集団に公言することへの恐怖」を乗り越えることに結びつけている点が良かったです。「オタク」であることを受け入れた上で、「イラストレーター」であること、自分が創造した創作物である「イラスト」に誇りを持つ姿かっこよくないですか。
<気になったこと>
<まとめ>
華乃のクリエーターとして努力する姿や主人公に超デレデレな姿など、キャラの良さが発揮されており、かつ黒歴史を乗り越えるシナリオも含めていいルートだったなと感じました。
錦あすみ
<要点>
終始あすみが可愛さであふれた、あすみを大大大ちゅきちゅきちゅきになるようなルート。肉まんから始まる恋物語。ご、ご、ごめんなさい、真面目に感想を書きます。
このルートでは、自分自身がやりたいことをやりぬくことの難しさや素晴らしさというのを強く感じました。
<「錦あすみ」と「雪景シキ」の2つの存在>
音楽に才能がある両親の子である一方で、音楽学校・普通科学校にて「歌うこと」に挫折をして、あすみは不登校になります。
しかし、「歌うこと」を諦められなかったあすみが出会った「歌う場所」はVTuberとしての活動でした(正確には、自分で作曲した曲をボイトに歌わせる活動から転じて)。「錦あすみ」としてはなく、VTuber「雪景シキ」として「歌うこと」を続けることができるようになったのです。この設定に私は親密感を強く感じました。私は、Vtuberではありませんが、VOICEROIDを用いた実況動画投稿活動をしています。私の地声では、トーク力が低すぎて自分が納得できるクオリティのポケモン対戦実況動画を投稿することができなかったからです。ですので、自分の声ではなく「紲星あかり」というキャラクターと声を用いることで、自分が納得できる動画を投稿するようになりました。このような活動をしていると、自分の動画だけど自分ではない、別の第二の自分がいるような感覚を日々感じています。おそらく、あすみと同じような思いだったのではないでしょうか。現実世界・自分の能力で叶わないことを第二の自分によって実現すること、これはこれで簡単なことではありません。ししかし、あすみは自分が見つけた輝ける舞台で、大手VTuberとして多くの人から評価を得ている点であすみが凄い子であると私は思いました。
<「歌うこと」の実現>
そういったあすみに対して、立ちふさがるのが学校の文化祭と企業系VTuberイベントとの競合でした。この2つの舞台は、「錦あすみ」としての「歌うこと」に向き合うこと、「雪景シキ」としての新たな舞台での「歌うこと」への挑戦という2つ意味があります。しかし、日程がもろ被りしたため、どちらかを選択しないければいけない。あすみとしては、より多くの人に迷惑がかかるという理由から「雪景シキ」としての活動を優先し、文化祭の方を諦めようとします。過去同様に、「錦あすみ」としての「歌うこと」が叶わない選択をしようとします。 しかし、主人公の機転と広夢の協力によって、文化祭と企業系VTuberイベントへの実質的な同時参加、つまり「錦あすみ」と「雪景シキ」の両者の「歌うこと」の実現に成功しました。若干ご都合主義的な要素が含まれている点は承知していますが、それ以上に「錦あすみ」という子が最後まで自分のやりたいことを貫こうとする姿勢、幾度の困難を乗り越え「歌うこと」を成就させる姿、はみ出してずっと外に出ることができなった自分から一歩外に踏み出す姿に私は感動しました。
<まとめ>
純粋にあすみのキャラとしての可愛さと自分自身のやりたいことを貫くシナリオに好感が持てるルートでした。強いていうなら、あすみ自体が恋愛含めて奥手な子だと思ったので、主人公に告白までの流れがちょっと早かったかなとは思いました(尺的に仕方ないし、そこまで違和感もなかったので細かい私の我儘程度に捉えてください)。
<おまけ>
「めっ!」っていうあすみ世界一可愛い~たまらんw
鎌倉詩桜
<公式サイト紹介情報>
智宏が災難を被る羽目になった元凶であり、 またの役職名を前生徒会長。
会長職にあった当時は高いカリスマ性を誇り、 他校にもファンがいたほど。
ただし、他の役員を全員クビにした経験を持つなど 性根はねじれている。
職業作家でもあり、自分の経験を描写に活かすタイプで、 会長職もその一環だった。
「名字から歴史ネタでいじられがち」な事を 密かに気にしている。
<要点>
共通ルートでの詩桜の印象を覆すべく、詩桜の良さが出ていたルートだったかなという印象です。
<共通ルートと個別ルートでの変化>
共通ルートでは、常に主人公に対して冷たく、あまり印象はよくありませんでした。しかし、詩桜ルートでは、詩桜が主人公に対して積極性の欠片のないクズと評価していたこと。主人公と関わるうちに、主人公への評価が変わっていく様子が描かれていました。
そういった過程を経て、詩桜ルートでは主人公に対する態度も変わりました。特に主人公に勉強を教えたり、学園内で主人公をフォローしたりといった先輩キャラとしての良さが出ていたのはよかったと思います。また、飴と鞭のごとく、時には厳しく時には優しく接してくるのはドMな私にとっては結構好きでした(笑)
このルートで核心に触れてくるのはちょっと予想外でした(華乃と妃愛ルートの2つで触れてくると思ってた)。生徒会長選抜の真相とそれに伴う上で触れた詩桜の主人公への評価などが語られていました。
<癖が強い18禁>
個人的に、18禁シーンが癖強いなという印象を覚えました。1回目は体制が独特かつ童貞卒業する前に中でスプラッシュする展開、3回目は主人公骨折状態でのプレイ(CGで主人公が足怪我してる様子が描かれてないのがちょっと残念だった)、4回目では目隠し拘束状態でおでん食わせるといったちょっと特殊な展開が地味にツボでした。もしかしたら私のツボがおかしいだけかもしれませんが…
↑これで詩桜が主人公の顔を足で掴む姿まで想像すると笑ってしまう
↑おでんプレイ草
<シナリオについて>
詩桜というキャラという面では比較的満足する内容でしたが、シナリオはイマイチだったと思います。色々な出来事・要素を詰め込みすぎてるせいで、見てる側としては完全に消化不良を起こしてること。また、主人公が急に交通事故に遭う展開を入れた意図が正直あまりよくわかりませんでした。一応主人公が交通事故を負ったことで詩桜が責任負う的なことは触れられてましたが、それだけなら主人公が無理して体調崩したくらいでいいのかなと思いました。文化祭当日に主人公が参加できなくなるまでして、何を表現したかったのか理解できずにルートが終わりました(妃愛ルートとの比較的な意味でも、主人公の脚本での劇を主人公自身が見届ける姿がみたかったなという感じです。あと両親の死因である交通事故を引っ張るなら、妃愛ルートとかでうまく話し絡めた方がいいのではとも思いました。)。
<まとめ>
生徒会長選抜の真実といった作品全体の核心に迫る内容を含めつつ、詩桜のキャラの良さを引き出されていました。
一方で、シナリオの終盤では負に落ちない点がありました。何か見落としがあるのかもしれないので、時間がある時に詩桜ルートの見直しや他の方の感想記事を拝見してみたいなと思います。
総評
◆評価◆
・シナリオ ★★★☆☆ 3/5
・キャラ ★★★★★ 5/5
・音楽 ★★★★☆ 4/5
・グラフィック ★★★☆☆ 3/5
・システム ★★★☆☆ 3/5
・総合 A+
<どのキャラクターが魅力的だった>
まず、キャラが全員とてもよかったです。まず4ヒロインがそれぞれ個性的であり、ヒロインとして好感の持てる設定でした。また、シナリオがキャラの良さをさらに引き立てていてキャラゲーとしての完成度は比較的高いのかなと感じました。サブヒロインの天梨や里もいいキャラをしていて、是非OC発売とそのOCにて攻略ヒロインとして昇格して欲しいなと思いました。主人公に関しては、賛否両論あるかと思いますが、私は好感を持てました。序盤でのダメ兄設定は、主人公の過去等で不快には思わなかったですし、主人公の言動がイライラしない程度の陰キャに留まっていたかなという印象です。
<「ハミダシ」と「集団」と「個性」について>
妃愛・華乃・あすみルートのシナリオが良かったと思いました。この作品のタイトルの「ハミダシ」→「食み出す」は「一定の範囲・枠から外に出る。中に入りきれないで外へあふれ出る」という意味の言葉です。この作品でいう「一定の範囲・枠」というのが、学校や世間といった「集団」を指すのかなと思います。「集団」と違った考えを持っていたり、「集団」から受けつけられなくて「集団」から孤立、はみ出してしまったのが本作の主人公とヒロイン達ではないでしょうか。特に、和や文化・慣習を重んじる(例えば場の空気を読むとか)日本では、珍しくはない現象かと思います。
そういった「集団」から孤立しても、ヒロインがそれぞれ抱える「個性」をヒロイン自身が認め、そして「集団」に認めてもらうことで、「集団」からはみ出すことなく、「集団」に属することができる、「個性」として認められるということが伝えたかったのかなと解釈しています。妃愛・華乃・あすみルートでは、自身の「個性」に対する「集団」への恐怖心を抱えつつも、「集団」への恐怖心と「個性」を受け入れ、その「個性」を文化祭という場で「集団」に認めてもらうという一連の流れが、ヒロインの成長を感じさせる点で非常によかったと考えています。一方で、このような考え方に私が凝り固まっているからこそ、詩桜ルートの主題が見えてこなかったのかもしれませんね。
集団になじめない不安から強いストレスを抱えることは誰にでもありえることかなと思っています。「不登校」や「引きこもり」になるかもしれません。そういった場合には、集団から離れたり、その集団に合うように自分を矯正することも解決策の1つかもしれません。ただ、この作品を通して、自分の「個性」を認め、「集団」に受け入れてもらうべく立ち向かうこともできるのではないかと感じました。私は、社会人になって半年になりますが、今後こういったことで悩んだ際には、この作品のヒロイン達のことを思い出して、自分の「個性」を貫いてみたいです。
<まとめ>
作品を通してヒロインの魅力がはみ出るくらい詰まっていて、イチャラブだけではなく主人公やヒロインの成長も感じることができた点でかなり満足できました。
終わりに(余談)
クリックすると開きます
初心者にも比較的プレイしやすい作品になっているので、ヒロインに好感持てた人は是非プレイしてみてください!
ということで初めての美少女ゲーム感想記事は以上になります。最後まで読んでくださった方ありがとうございます!
いざ書いてみると難しいなと思いました。純粋に面白いと思った作品でも、「どこが」「どう」面白いのかということを言葉で表現するのが大変でした。かなり自分の個人的な体験や意見が混じってしまったりと、読みにくかったり、感想がどこか偏ったものになっていたりしたらごめんなさい><あくまで私が個人的に思ったことを書いているだけなので、この記事の内容や解釈が正解という訳では全くないので、その点ご理解していただけたらと。
定期的に記事を書きながら、少しずついい感想記事を書けるように頑張ります。詩桜先輩に教えてもらってもいいかもしれないですね(笑)
<おまけ>
美少女ゲーム好きな人と感想会やおすすめの作品紹介とかしてみたいので、もしよければTwitterをフォローしてくださると嬉しいです。
感想やご意見等あれば上記Twitter、直接言いにくかったら下記お題箱に投稿してくださいませ。